1 ・ 2(続編) | ||||||||||
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<スペイン短歌紀行‐14> Tanka kiko 14 | ||||||||||
《「アルハンブラ物語」 アービィング著 を詠む》 ⇒続編 GRANADA-ALHAMBRA-IRVING |
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スペイン短歌紀行 プロモーションビデオ 彷徨い人 中島孝夫 |
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《モーロ人・モーロ王国》 | ||||||||||
* モーロ王国の 記念碑的建造物が 古の栄華のあかし
* アルハンブラ キリスト教国にぽつりと際立つ イスラム教徒の建造物
* アルハンブラ スペインを統治せし モーロ王国の置き土産
* アルハンブラ 栄華極めて姿消せし 知的な民の優美な形見
彷徨い人 中島孝夫 |
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* 輝けるモーロ王国の民 流民と化して アフリカの砂漠に消ゆる
* 八百年の栄華極めしモーロの民は 何処へと姿消したるや
* スペイン人 モーロ王国を 侵略者の王国と 忌み嫌いぬ
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* モーロ王国 スペインの地に 砦築き戦い守り存続図れり
* 有史以来モーロ人ほど 徹底的にせん滅されし民族なし
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* モーロ王国とは スペインの中の輝かしき イスラム教徒の国
* モーロ王国 スペインの地に花咲かせしも 根をはれず生気失いぬ
* モーロ王国 信仰の壁立ちふさがりて 西欧から遮断されぬ
* モーロ王国 アラブの同胞とは 海と砂漠で隔絶の憂き目
* モーロ人 西欧とアラブから隔離されて 孤高の民となりぬ
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* モーロ人の都で 西欧のキリスト教徒のエリートが学べり
* モーロ人の都は 新知識技術を学ぶ西欧学者で満ちぬ
* 西欧の学者詩人音楽家 戦士も学ぶモーロ人の都
*トレド、コルドバ、セビーリャ、グラナダ 留学生で満ち溢れり
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* その当時アラブ帝国文明誇り 世界に冠たる栄華を極めり
* モーロ王国 文明誇りしアラブより 学問文化を採り入れぬ
* モーロ王国 文明度低かりし西欧へ 知の光りを放てり
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* 遊牧民 スペインに 愛と幸せ溢るる王国創らんと企てり
*遊牧民 思慮と公正の法体系に権力の基盤置けり
*遊牧民 芸術科学育成し農業工業商業興しぬ
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* 遊牧民の英雄主義と統治主義は キリスト教国を凌駕しぬ
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* 遊牧民 スペインの地に 永続的な王国の建設企てり
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* 遊牧民 スペインを アラーの神から授かりし国土と定む
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* アフリカとアジアの混血遊牧民は スペインを侵略せし
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* アラブ人 イスラム教の原理を掲げ 地中海に高波起こしぬ
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* 正式の国名民族名なきモーロ人 そのルーツを知りたし
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* 数奇なる運命辿りしモーロ人 いかなる民族なりしや
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* スペインに 王国築きしモーロ人 何処より来て何方へ去りしか
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* 好戦的な両民族 グラナダ舞台に 数世紀覇を競えり
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* モーロ人の宮殿には 典雅華麗な享楽の美が微笑めり
* スペイン人の宮殿には 壮重陰気な厳粛の美が苦笑せり
* モーロ人とスペイン人の美意識は 相対峙し融合叶わず
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《大使の間》 ~コマレスの塔~ | ||||||||||||||
Salón de Embajadores Torre de Comares | ||||||||||||||
* 夕映えの アルハンブラに華やぎの 過去の光芒一瞬きらめけり
![]() * アルバイシン 段丘の城壁跡に 城郭都市の残影浮かびぬ
* バルコニーより眺むれば ダーロ川、渓谷、庭園眼下に広がりぬ
![]() * コマレスの塔は 切り立つ岩盤に足踏ん張りて 傲然と聳えたり
![]() * 威圧的な威厳あるものものしさが 玉座に今なお降り注ぎぬ
* モーロの王の「謁見の間」には 壮麗さと重厚さが漂いぬ
* きらびやかなる「控えの間」 柱廊渡れば「大使の間」へ導かれり
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<二姉妹の間> | ||||||||||||||
* 二姉妹のハレムの広間を彩りし モーロの美女の幻影さがす
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<アベンセラッヘス家の門> | ||||||||||||||
* 名門の騎士たち不忠の罪により この広間にて虐殺される
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ライオン宮 ‐ ライオンの中庭 | ||||||||||||||
* 繊細で典雅に柱廊飾りしは 悦楽求めるアラベスクなり
![]() 彷徨い人 中島孝夫 * 十二頭のライオン像は 水晶の如き水を噴き上げぬ
![]() 彷徨い人 中島孝夫 |
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<コマレス宮 ‐ アラヤネスの中庭> | ||||||||||||||
Palacio de Comares-Patio de los Arrayanes | ||||||||||||||
* 大理石の瓶飾りより清水が 青き池に静かに流る
![]() 彷徨い人 中島孝夫 |
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<宮殿入口> | ||||||||||||||
* 宮殿に足踏み入れれば アラビアの物語世界が展開す
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〈カルロス五世宮殿〉 | ||||||||||||||
* 仰々し 豪勢てらいしあざとさと 傲慢目につくこの宮殿は
* モーロ人の宮殿玄関遮断せし この宮殿を黙殺す
![]() 彷徨い人 中島孝夫 |
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〈水槽の広場〉 | ||||||||||||||
* モーロ人 地下に築きし水槽に ダーロ川より水引き入れる
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〈裁きの門〉 | ||||||||||||||
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* カルロス五世 ギリシャ様式の大門を アルハンブラの入り口に建てり
![]() 〈グラナダの門〉 彷徨い人 中島孝夫 |
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* アルハンブラ 魅力の源泉舞台にし 劇的展開くり返されぬ
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* フランス軍 外部城壁爆破して 戦時防御の機能奪いぬ
彷徨い人 中島孝夫 《参考:アルハンブラの史実》 * フランスの軍司令官爆薬仕掛けアルハンブラの爆破図る * スペインの退役兵士が導火線すばやく切りてアルハンブラ救えり |
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* 比類なきモーロの詩的な遺産をば フランス軍は今に残せし
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* フランス軍 噴水池に水をはり 真珠のきらめき取り戻す
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* フランス軍 宮殿屋根を修復し 風雨に曝されるを防ぎたり
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* 皮肉にも 朽ちかけしアルハンブラを フランス人が蘇らすとは
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* 豪奢なる モーロの記念碑保存さる 崩壊寸前フランス人に
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* 侵略者 フランス人の美的趣味が アルハンブラの荒廃救う 彷徨い人 中島孝夫
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* フランス軍 アルハンブラに駐屯し 軍司令官は宮殿に住まう
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* スペインの 内戦時代にグラナダは フランス支配の屈辱味わう
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*無残にも アルハンブラに 盗賊や無頼の輩が棲みつき始める
![]() 彷徨い人 中島孝夫 *アルハンブラ 涼やかな虹吹き上げし 庭園噴水も枯れ果てぬ
彷徨い人 中島孝夫 *アルハンブラ 王家に見放され 華麗なりし宮殿広間色あせぬ
彷徨い人 中島孝夫 * フェリペ五世と 美貌の后去りし後 アルハンブラは廃墟となりぬ
![]() 彷徨い人 中島孝夫 * フェリペ五世 アルハンブラの宮廷で つかの間の春を后と楽しめり
![]() 彷徨い人 中島孝夫 * フェリペ五世 アルハンブラに宮廷敷く 十八世紀初頭のことなり
彷徨い人 中島孝夫 * 重厚な威容を誇る大宮殿 地震に襲われ完成かなわず
![]() 彷徨い人 中島孝夫 * カルロス五世 モーロの王に負けぬとばかり 大宮殿建てり
![]() 彷徨い人 中島孝夫 * 時流れ アルハンブラに カスティーリャ君主の宮廷 幾度か敷かる
![]() 彷徨い人 中島孝夫 <参考-スペインの歴史> * 栄光のグラナダ王国滅亡しイスラム統治に終止符うたる (1492年) * イスラムの800年もの統治経てキリスト教徒国土を奪回す * 1492年スペインの黄金時代の幕開けとなりぬ * アルハンブラ キリスト教徒の手に落ちて 王家管理の境遇となる
彷徨い人 中島孝夫 *モーロの王 キリスト教徒に屈服し アルハンブラ背にネバダを越える
![]() 彷徨い人 中島孝夫 * モーロの王 4万の兵を構内に 駐屯させて力を誇示す
![]() 彷徨い人 中島孝夫 * アルハンブラ 城塞内の一隅に 優雅さ華麗さ静かに眠る
![]() 彷徨い人 中島孝夫 * アルハンブラ 殺風景な石塊を 積みし外観優雅さを欠く
![]() 彷徨い人 中島孝夫 * アルハンブラ 外より見れば雑然と 塔と胸壁連なるばかり
![]() 彷徨い人 中島孝夫 * 城塞の一角占めたる宮殿は グラナダの町を見守りている
![]() 彷徨い人 中島孝夫 * 城壁は ネバダの丘の周辺に うねうね伸びて宮殿守りぬ
![]() 彷徨い人 中島孝夫 * 宮殿は キリスト教徒の進攻で モーロ最後の砦となりぬ
![]() 彷徨い人 中島孝夫 * モーロの王 その御代誇り宮殿に 贅の極みを重ねあげたり
![]() 彷徨い人 中島孝夫 *鮮やかな華に包まれし宮殿は モーロ(回教徒)の王の楽園となりぬ
![]() 彷徨い人 中島孝夫 * 騎士道の 愛と戦を詠いたる ロマンセに満つアルハンブラは
![]() 彷徨い人 中島孝夫 * 幽暗の アルハンブラの宮殿に あまたの伝承ひそと眠れり
![]() 彷徨い人 中島孝夫 * アルハンブラ 旅する人の心をば 聖地の如く慰めいたわる
![]() 彷徨い人 中島孝夫 * 旅人は アルハンブラの奇怪さに 魂奪われ佇み動かず
![]() 彷徨い人 中島孝夫 * アルハンブラ 幻想空間かもし出す 史実か伝奇か見分け難くも
![]() 彷徨い人 中島孝夫 |