- 特別編 スペイン歴史探訪 - |
2006年4月中旬、2組のご夫婦(森川様 & 根本様)と一緒に、スペイン歴史探訪の旅に出かける。 |
★写真をクリックすると大きくなります。 |
【グラナダ Granada】 |
イスラム支配下の時代、1236年にコルドバがレコンキスタのキリスト教徒に奪回 されて以後、グラナダはイベリア半島におけるイスラム最後の王朝(ナスル朝グラ ナダ王国)として繁栄を極めた。13世紀にはアルハンブラ宮殿、アラブ式庭園ヘネ ラリフェなどが建造された。レコンキスタのカトリック両王は、ナスル朝最後の王 を降伏させ、1492年グラナダに入城した。これにより約780年にわたるイスラム 支配が終わる。カトリック両王はこれを記念し、グラナダに王室礼拝堂を建造した。 |
<裁きの門 Puerta de Justicia> |
いかめしい名の頑丈な門を潜りぬけると、自ずから厳粛な気分になる。 裁く人裁かれる人の頭上には裁きの門がのしかかりくる |
|
<チノス坂 Cuesta de los Chinos> |
右手にアルハンブラ宮殿を見ながら、ダーロ川(Darro)沿いに歩き、川を渡ると、 |
|
<グラナダスの門 Puerta de las Granadas> |
ゴメレス坂(Cuesta de Gomerez)を下っていくと、がっしりとした門がある。 |
|
<アルハンブラ宮殿 Palacio de la Alhambra> |
堅牢な城壁内には、宮殿、要塞、モスク、造幣所などがあった。ナスル朝宮殿は イスラム建築の伝統を守り、池や噴水を設けたパティオ(中庭)を中心に構成さ れて、漆喰、タイル、大理石による繊細な装飾と、アラビア文字、唐草模様の壁 画装飾、そして、精緻な鍾乳石飾りに埋め尽くされている。 |
![]() |
![]() a la caida de la tarde muestra su rostro e melancolía invadido. |
![]() |
![]() rompe el silencio de la Alhambra cubierta por el velo del amanecer. (Alhambra) |
![]() |
|
-アルカサバ Alcazaba- |
レコンキスタから王国を守るため、イスラムの軍事技術を集約した要塞であった。 アルカサバは難攻不落の要塞なるも柔弱な王はネバダに逃る グラナダの町を眼下におさめつつレコンキスタの進攻憶う |
![]() |
![]() eterno vigilante de la Alhambra veladas transiciones. (Alcazaba) |
![]() ![]() |
![]() |
|
-ワシントン・アービングの部屋- |
18世紀の王位継承戦争やナポレオン戦争で、アルハンブラは荒れ果て、忘れ去 られてしまったが、米国人作家ワシントン・アービングの「アルハンブラ物語」 により、再びよみがえった。 アービングの幻想世界に浮遊してアルバイシンの町並み眺む |
![]() |
|
-二姉妹の間 Sala de las Dos Hermanas- |
天井の鍾乳石飾りは、宮殿随一の精密さを持つといわれている。 |
![]() |
|
-ライオンの中庭 Patio de los Leones- |
ライオンの口を形どった噴水から冷水が流れ、とりどりの花の咲き匂う中庭 |
![]() ![]() |
|
<ヘネラリフエ Generalife> |
ナスル朝宮殿の離宮で、水と緑に包まれた夏の別荘であった。 夏の宵涼風にふかれ美女抱くモーロの王のふくよかな顔 |
![]() |
![]() distraidamente admirando , Generalife nos recibe sonriente. (Generalife) |
![]() ![]() |
|
<ブドウ酒の門 Puerta de Vino> |
ブドウ酒の門を境に、アルハンブラ宮殿内は、ナスル朝宮殿の住宅街と |
![]() |
![]() por el mármol violáceo sopla un viento silencioso. (Puerta del vino) |
![]() |
|
<カルロス5世宮殿 Palacio de Carlos V> |
この宮殿は、1526年、スペイン国王カルロス5世のアルハンブラ宮殿への |
![]() |
|
<サン・ニコラス展望台 Mirador de San Nicolas> |
アルバイシンにある展望台より、アルハンブラ宮殿の夜景を楽しむ。 |
<王室礼拝堂 Capilla Real> |
レコンキスタのカトリック両王(イサベル女王と夫のフェルナンド2世) |
<セマナ・サンタ(聖週間)Semana Santa> |
キリストがエルサレムに入った「枝の日曜日」から受難の日「聖金曜日」、 |
![]() |
|
<アディオス、アルハンブラ Adios, Alhambra> |
去りがたきアルハンブラに別れ告げイスラム最初の王都(コルドバ) |
<グラナダの印象・感想> |
根本ご夫妻: |
何といってもイスラム王朝の最後の拠点であったアルハンブラ宮殿である。 |
![]() |
|
グラナダ最初の夜、セマナ・サンタの行列を待つ人の波をかき分け、アルバ |
|
森川ご夫妻: |
アルハンブラ宮殿は緑豊かで、一般的に乾いたスペインのなかでは特にしっ とりとした印象でした。しかしそれはあまりにも繊細、優美で巧緻であり、 歴史を知っているせいか、ナスル朝の最後を飾る花のように耽美的なうつくし さでした。水ときれいに刈り込まれた木々で飾られた中庭の風情はすばらしい ものでした。 |
コルドバ CÓRDOBA 2006 PRIMAVERA |
711年にイベリア半島に侵攻したイスラム教徒は、アル・アンダルスと命名した |
|
![]() de la Humanidad Patrimonio, en florida primavera camino de Córdoba. |
<メスキータ Mezquita> |
東方のバグダットやコンスタンティノーブルとその威容を競い、4回の拡張 |
![]() |
![]() de la Mezquita voy y vengo de perplejidad lleno. |
![]() |
![]() de columnas y arcos, copia infinita, un sentimiento de intranquilidad. (Mezquita) |
![]() |
<ローマ橋 Puente de Romano> |
アル・アンダルスの最盛期、この地で開花した多くの学問がラテン語に翻訳 |
<カラオーラの塔 Torre de la Calahora> |
ローマ橋を警備するために造られたという。 |
<ユダヤ人街 La Juderia> |
コルドバの経済を支えてきたユダヤ人の居住区には、迷路のように小道が |
![]() |
![]() unas gotitas. A toda prisa de un restaurante enfilo la entrada. Era de primera.... (Restaurante en la Judería) |
|
<ポトロ広場 Plaza de Potro> |
ポトロとは若馬のことで、市の紋章になっている。 |
![]() |
![]() del ágape pata a pata alcanzo del Potro la Plaza. (Plaza del Potro) |
<セマナ・サンタ Semana Santa> |
行列を見んと走れば今まさにマリアの像が眼前を過ぐ |
|
<ビアナ宮殿 Palacio de Viana> |
ようやくたどり着いた宮殿は、日曜祭日のため閉館でがっくり。 力ぬけ口あんぐりと宮殿を眺めいれば背後に声あり 初対面の翁の家に招かれるおもむくままの出会いなりしや |
|
<コルドバの印象・感想> |
森川ご夫妻: |
メスキータもセマナサンタの行列も印象的でしたが、ビアナ宮殿の近くに |
|
根本ご夫妻: |
セマナ・サンタの行列の後になり先になったりしてついて行き、土地の人々 のこの祭りに対する熱い思いを身近に感じとったり、通りすがりのお年寄り に石敷きの路地をたどって自宅まで案内されて、美しい花で飾られたパティ オで交歓のひとときを過ごす機会を得た。(久照) <メスキータとオレンジの中庭> 大モスクには、くさび形のアーチが数多く 並び驚く。しかし、内部はカテドラルとして改造され、イスラム教とキリスト 教が共存して不思議な空間を感じる。 コルドバにもオレンジの花と果実をつけ、芳しい香りを放つ街路樹が他の 土地と同じように多く見られる。(純子) |
【セビーリャ Sevilla】 | ||
グアダルキビル河岸に位置するアンダルシア最大の都市で、スペインで唯一 の内陸港を持つ。 セビーリャ王国はイスラム勢力により1023年に築かれ、その経済的繁栄は 13世紀に頂点に達する。1248年レコンキスタのフェルナンド3世がセビー リャを奪回する。1503年以降、セビーリャは植民地貿易を独占し、新大陸 の金銀はセビーリャ造幣局で鋳造される。16世紀スペインで最大の商業都市 に発展したセビーリャは、スペインの黄金世紀の文化の中心でもあった。 大航海時代のマゼランやベスプッチはセビーリャ港から航海にでた。 |
||
<カテドラル Catedral> | ||
スペインで最大、ヨーロッパで3番目に大きな規模の大聖堂の前に立つ。 スペインの最大規模の聖堂をため息もらし仰ぎ眺める カテドラル、オー カテドラルと呟きつつきらびやかな主祭壇を見る |
||
![]() |
||
|
||
|
||
|
||
<ヒラルダの塔 Giralda> | ||
セビーリャの象徴である塔に登る。高さは98mとのこと。 |
||
![]() |
||
![]() la rampa, al llegar a la cumbre la ciudad cortesana bajo los ojos. (Giralda) |
||
|
||
<アルカサル Alcazar> | ||
レコンキスタ後にキリスト教徒の王たちが、イスラム芸術の粋を実現 |
||
|
||
-大使の間 Sala de Embajador- | ||
![]() |
||
![]() en su cenit del arte islámico, Salón de Embajadores, esplandor y belleza, la palabra se quiebra. (Alcázar. Salón de Embajadores) |
||
-庭園 Jardines de Alcazar- | ||
庭園の干上がりし池で面妖な顔した石の像に睨まる |
||
|
||
<馬車> | ||
カテドラルの前で、市内観光の馬車の御者に声をかけられ、あした乗るよと |
||
|
||
<黄金の塔 Torre del Oro> | ||
13世紀初め、川の通行を検問するために建てられた十二角形の塔で、かっ |
||
|
||
<スペイン広場 Plaza de Espana> | ||
‘29年に造られ、広場を囲む建物の下に、スペイン各地の歴史がタイル画に 描かれている。 広大な半円形の広場にはこれぞスペインの趣きのあり |
||
|
||
<サンタ・クルス街 Barrio de Santa Cruz> | ||
かってのユダヤ人街で、白壁の家の中庭はとりどりの花で飾られている。 |
||
-ムリーリョの家 Casa de Murillo- | ||
うろうろと小道たどればムリーリョの住みし屋敷が目の前にある |
||
-ムリーリョ庭園 Jardines de Murillo- | ||
![]() |
||
![]() rumor de la guitarra. Sentado en el callejón embriaguez del oido. (Parque de Murillo) |
||
<美術館 Museo de Bellas Artes> | ||
ムリーリョの絵画をはじめ、セビーリャの派の画家たちの絵画が展示されている。 |
||
![]() |
||
![]() de la escuela sevillana se desprende un fuerte aroma de ciudad apasionada. (Museo Murillo) |
||
<新幹線 AVE-Alta Velocidad Espanola> | ||
セビーリャからマドリッドまで、2時間半の快適な新幹線の旅を楽しむ。 |
||
|
||
<セビーリャの印象・感想> | ||
根本ご夫妻: | ||
スペイン第4の都市では、南国的な陽気さ、明るさが街に溢れているような 気がした。壮大な大聖堂や、作られた時代が違ういくつかの庭園をもち、イス ラムとキリスト教文化が混じり合った建築様式と言われるアルカサル、ヒラル ダの塔からの360度の大展望、スペイン広場等、かっての繁栄ぶりを今に伝え るスケールの大きさを感じた。(久照) <観光馬車>約1時間近くの市内観光。ひずめの音がリズミカルで心地よく、 南国の太陽の下、風に吹かれながら美しい町並みと広大な公園の緑の中を巡り、 幸せなひとときを過ごした。 <美術館>ムリーリョのマリア様に親しみ、また、過去南米大陸から持ち帰っ た銀で製造した多数の展示品が陳列され、スペインに多量の銀が流入し、ヨー ロッパの市場経済が変動し、貴族の生活を脅かしたとの説明文が添えてあった。 美術館で少し経済学を学んだ。 (純子) |
||
森川ご夫妻: | ||
広大なカテドラルには驚きましたが、その中で見たコロンブスの棺の印象は 強烈でした。まるで王か聖人のような扱いで、彼がいかにスペインの繁栄に寄与 したかがわかりました。 私のような日本人には彼は王の命令で大西洋を横断しアメリカに到達したと ばかり思っていましたが、実はスペイン帝国による膨大な富の収奪の門を開いた 貢献者として評価されていたようでした。 |
【マドリッド Madrid】 |
スペインの首都・マドリッドは標高655mのイベリア半島のほぼ中央に |
<マヨール広場 Plaza Mayor> |
4階建ての建物が四方を囲んでいる落ち着いた雰囲気のある広場。レス |
![]() |
![]() del cuadrilátero de la Plaza Mayor la ropa tendida se balancea con la caricia del viento. (Plaza Mayor) |
|
<王宮 Palacio Real> |
1764年に完成した王宮は、現在も公式行事に使用されている。たまたま、 |
![]() |
![]() la de la real casa se bambolea. Y yo contemplo de a caballo la real guardia. (Palacio Real) |
|
<プラド美術館 Museo del Prado> |
1819年にスペイン王家のコレクッションをもとに、王立美術館として開館 |
![]() |
![]() del turístico guía. ¡Qué difícil del cuadro contemplación tranquila! (Museo del Prado) |
|
<ソフィア王妃芸術センター Centro de Arte Reina Sofia> |
20世紀の現代美術・絵画が集められている。 |
|
![]() hasta llegar al gozo las ideas abstractas se desintegran. ( Museo Reina Sofía) |
<アトーチャ駅 Estacion de Atocha> |
熱帯雨林の湿度を肌に感じながら、階上レストランのテラスで夕食をとる。 |
![]() |
![]() un bosque tropical la idea. ¡Eureka! (Estación de Atocha) |
|
<レティーロ公園 Parque del Retiro> |
もともとは王家の所有していた庭園であったが、マドリッド市に寄贈され、 |
|
<マドリッドの印象・感想> |
森川ご夫妻: |
大都会で歩く人の早さも東京並みでした。街角でみた中央郵便局の標識に |
|
やはり一番印象深かったのは「プラド美術館」です。非常に親しみやすい 雰囲気で楽しく名画と接することができました。名画のすばらしさはいろい ろ紹介されていますから改めて申すこともありませんが、私が少し変わった ことで感心したのは入場料の安さでした。また多くの小学生が先生に引率さ れて楽しそうに見学していました。小さいうちから本当の美しさに接するこ とはすばらしいことと感心するとともに、なんとなく芸術にたいする姿勢の 余裕のようなものを感じました。 |
|
根本ご夫妻: |
グランビア、アルカラ通り、プエルタ・デ・ソル、マヨール広場、王宮、 スペイン広場へと、中心部の街並みの景観をじっくり堪能できたことがうれ しかった。街中にこんなに美しく広々とした所があるのかと思わせられた、 レティーロ公園も印象的だった。(久照) <プラド美術館> マドリッドでプラド美術館が一番のお目当てだった。入館と同時にベラスケ スの「ラス・メニーナス」を鑑賞する。しばし、釘付けとなる。今にも絵の 中の人物が動き出すのではないかと感じた。 ゴヤの「ラ・コンデサ・デ・チンチョン」を見てチンチョンの古城を思い 出す。「戦争の惨禍」など、ゴヤの描く黒く暗い作品の数々に人間の内面が 深く表現されていることに気付く。(純子) |
【チンチョン CHINCHÓN】 |
マドリッドから南東に車で40分走ると、オリーブ畑に囲まれた小高い丘の |
|
<古城 Castillo> |
|
![]() del viejo, destartalado castillo. Torre redonda, triste ruina. (Viejo castillo) |
<にんにくの店 Tienda de ajos> |
![]() |
![]() de la tienda de ajos, olor aspirado por la tertulia de ajados clientes. (Tienda de ajos) |
|
<ゴヤの家 Casa de Goya> |
|
![]() de la alta colina simpleza de la casa que Goya habitara. (Casa de Goya) |
|
<チンチョンの印象・感想> |
根本ご夫妻: |
チンチョンの古城の周辺にも可憐な草花が咲き、その中にアマポーラ(ひなげし) の赤も風にゆれていた。修道院を改装した「パラドール・デ・チンチョン」に宿泊し、 静かで落ち着いた古風(15世紀の建物とのこと)な雰囲気の中で、旅の疲れを癒せた ことが何よりだった。 マヨール広場の上の教会で、折りよくミサが行なわれており、ゴヤの「聖母聖天」 を目にすることができた。 買い物に出た町外れのスーパーで、母親と一緒の3、4歳の女の子が、ショッピング カートの上から、私にHola!と、私もHola!、そして再び出会い、Hola!、可愛い幼児と の楽しくもうれしいひとときであった。(純子) |
|
森川ご夫妻: |
かわいらしい小さな町。宿泊したパラドールの雰囲気のすばら しさにすっかり満足いたしました。 |
|
【アランフエス Aranjuez】 |
18世紀後半、タホ川沿いの緑豊かな地に建てられた王家の離宮と、 |
![]() |
![]() se confían a la verde corriente, sombra chinesca del silencioso palacio. (Palacio y Río Tajo) |
![]() |
![]() de un bouquet floral viven las ninfas, reposo del alma. |
![]() |
![]() el jardín le susurra su vida sin prisas. (Palacio y jardín) |
|
<アランフエスの印象・感想> |
森川ご夫妻: |
広大な庭園と王家の離宮、当時の王たちの優雅な時間のすごしかたはなかなか庶民 には想像もつかないものでした。 |
根本ご夫妻: |
王家がタホ川で舟遊びに用いた船が展示されている「王家の小舟博物館」に向か った。かっての船着場が近くにあった。イサベル女王ほか、王家が使った豪華に 装飾された数艘の舟と、当時の舟遊びの様子を描いた絵画、その他船舶や海運に 関する資料等が展示されていた。 その中でも、フェリペ5世がベネチア伯爵から贈られたという、木彫りで金ぴか に飾られた大型のゴンドラが目をひいた。両岸の木々の緑を映しながら、傍らを静 かに流れるタホ川を眺め、当時の優雅な光景を思い浮かべてみた。(久照・純子) |
【トレド Toledo】 |
トレドは、イベリア半島最長のタホ川に三方を守られた急峻な丘の上にあり、 幾度もスペインの歴史の中で主要舞台を務めた。このため、町全体がさながら 歴史博物館のようになっている。 1085年、レコンキスタのアルフォンソ6世は、トレドをイスラムより奪回し た。 12世紀前半から13世紀後半にかけて、トレドは西ヨーロッパの知識人 の強い関心の的となった。トレド翻訳学派と通称される知的翻訳作業がイス ラム教徒、ユダヤ教徒、キリスト教徒の各学者たちの協同作業によって進め られ、ラテン語に翻訳された哲学、数学、天文学、医学などが、ピレネー山 脈を越え、西ヨーロッパへと伝えられた。 トレドは、中世末期から近代初期にかけて、スペイン議会の場ともなれば、 まだ決まった首都を持っていなかったスペイン宮廷の一時的な逗留地ともな った。 |
![]() |
![]() Toledo se levanta suavemente cual espejismo. (Toledo desde la colina) |
|
<ソコトレン Zokotren> |
ソコドベール広場からミニ観光列車に乗り、45分かけてトレドを周遊する。 にわか雨ソコトレンには窓はなしトレド周遊はずぶ濡れとなる |
<カテドラル Catedral> |
スペイン・カトリックの総本山である大聖堂は1226年に着工され、1493年 に完成した。 雨に吹かれ聖堂に難を逃れんと走りこめども扉は開かず |
![]() |
![]() roja y verde enlazada en la catedral danzando envuelve las ideas del mal. (Catedral) |
-聖具室 Sacristia- |
![]() |
![]() del autorretrato profundo relieve, mirada penetrante en su luz. (Autorretraro del Greco) |
<レストラン> |
午後8時夕食とるは我らのみワインのつまは採算のはなし |
<トレドの印象・感想> |
根本ご夫妻: |
妻と二人でサント・トメ教会を目指し、お目当てのグレコの大作「オルガス伯爵の埋葬」 |
森川ご夫妻: |
スペイン各地で見てまわったカテドラルの中でもこれは特大規模で立派なのに驚きまし た。堂内は美術館のようにたくさんの宗教画が飾られていて、中でも聖母像のやさしい目 の表情はわすれられないものでした。 |
【セゴビア Segovia】 |
エレスマ川(Rio Eresma)とクラモレス川(Rio Clamores)に挟まれた町で、 |
<ローマ水道橋 Acueducto Romano> |
紀元1世紀前後に建造されたローマ時代の水道橋は、花崗岩の切石を積み |
|
<アルカサル Alcazar> |
ディズニーの「白雪姫」の城のモデルになったと言われているアルカサルを 何度も眺めやる。 |
![]() |
![]() la mano de Blancanieves saludando desde las ventanitas del Alcázar. |
![]() |
![]() la brillantez y elegancia de las torreadas picas, sueño con Blancanieves de inteligencia cenit. (Alcázar) |
|
<セゴビアの印象・感想> |
森川ご夫妻: |
なんといってもローマ水道橋です。これが2千年も前に造られたとは信じら れません。現在のようなクレーンもない時代に造られた何十メートルもの高さ の巨大な建築物でありながら、どの石一個をはずしてもガラガラと崩れてしま いそうなまったく無駄のない構造(静定構造)です。 しかしその美しさはなんと言ったらよいのでしょう。ただ大きいだけのピラ ミッドや万里の長城とは全く違った巨大建造物です。改めて古代ローマ人の高 い能力に感心。 |
根本ご夫妻: |
紀元前1世紀に建造されたローマ水道橋のこの遺跡が、どのようにこれほど の大工事が進められ、また、今のような姿で保存されて来たのかということを 考えると、ただただ驚きを感じ、先人の大偉業に理屈ぬきに敬服するのみであ る。(久照) 車が街に近付くにつれ、雪山が迎えてくれる。アルカサルへは、クラモレス 川沿いの、春まだ浅い新緑の美しい遊歩道をたどった。 遊歩道から崖の上のアルカサルを見上げると、今まで見てきた他のどのお城 よりも優しく、美しい。合流するエレスマ川の水が冷たい。ぐるりとお城を巡 り、急な崖に付けられた道を登ると、お城の正面に出た。(純子) |
<スペイン歴史探訪の感想> |
根本ご夫妻: |
他のヨーロッパ諸国と比較して、特異な歴史を歩んだスペインが持つ多数の世界遺産の いくつかをはじめとして、歴史上重要な位置を占める数々の史跡とそれが保存されている その土地の姿を、そして、いくつかの美術館や博物館を、決して急ぐことなく、じっくり と楽しんで来ました。 また、ときには観光客が余り寄り付かない静寂な小道をたどったり、様々なスタイルの レストランやバルでの食事、あるいは地元の人との思いがけぬ交歓等、時間的にも空間的 にもパックツアーでは、到底味合うことができない、貴重な体験を重ねることができまし た。(久照) <スペインに咲く花々> オリーブ、オレンジの花と果実、藤の花、ジャスミン等が、各地の庭園で5月の花とし て仄かな香りを届けてくれる。ゼラニュームの鉢は、家々の窓辺や壁に美しく飾られてい ます。木や草花は日本でも咲くものが多く、名前を思い出しながらの植物鑑賞の旅でもあ りました。この旅の思い出と体験が、私の心身に浸透してきます。(純子) |