＜マルセリーノ　パンと葡萄酒＞ - Marcelino Pan y Vino -

＜20.屋根裏部屋をのぞくマルセリーノ＞ MARCELINO SE ACERCA A LA BUHARDILLA

Marcelino Pan y Vino(3.09)

＊　マルセリーノは　 　　　　　注意しつつ 　　　　　　　屋根裏部屋にそっと近づきたり 　　　　　　　　Marcelino 　　　　　　　　con mucho cuidado 　　　　　　　　se acercó a la buhardilla. 142 　＊　マルセリーノは 　　　　　　戸板の継ぎ目より 　　　　　　　　中をばのぞき込みぬ 　　　　　　　　Marcelino 　　　　　　　　por entre las rendijas 　　　　　　　　de las maderas 　　　　　　　　estuvo contemplando 　　　　　　　　el interior. 143 　　＊　暗闇がひろがるばかりで 　　　　　マルセリーノの目には 　　　　　　　　何も見えなかりけり 　　　　　　　　　　　　Todo estaba oscuro 　　　　　　　　Marcelino 　　　　　　　　no veía nada. 144 　＊　マルセリーノが 　　　　　戸を押しやれども 　　　　　　　戸は軋んだ音を 　　　　　　　　　　立てるばかりなり 　　　　　 　　 Marcelino 　　　　　　　　empujó despacio la puerta 　　　　　　　　que levantaba un ruido 　　　　　　　　constante. 145 　＊　マルセリーノが　　　 　　　　なおも戸を押しつづけたれば 　　　　　　　　戸口にすき間ができぬ 　　　　　 　 　　　　　 Marcelino 　　　　　　　　siguió empujando 　　　　　　　　y en la puerta se abrió 　　　　　　　　un buen hueco. 146 　＊　マルセリーノは 　　　　すき間に頭を入れ 　　　　　部屋の中をぐるりと見回したり 　 　 　　　　　Marcelino 　　　　　　　　metió la cabeza 　　　　　　　　por la abertura 　　　　　　　　y echó un vistazo 　　　　　　　　a la habitación. 147 　＊　マルセリーノの目は　 　　　　　暗闇に慣れきて 　　　　　　　物を見分けられるようになりぬ 　　　　　　 　　　　　El ojo de Marcelino 　　　　　　　　se fue acostumbrando 　　　　　　　　a la oscuridad, 　　　　　　　　las formas de los objetos 　　　　　　　　llegó a detectar. 148 　　＊　屋根裏部屋は　 　　　　　納屋より狭く 　　　　　　　閉まりしままの小さき窓あり 　　　　 　 　　La buhardilla era 　　　　　　　　más estrecha que el troje, 　　　　　　　　tenía un ventanillo cerrado. 149 　＊　その窓より 　　　　明かりは部屋に 　　　　　ほとんど差し込んでいなかりけり 　　　　　　　　Por el ventanillo 　　　　　　　　casi no entraba luz 　　　　　　　　en la buhardilla. 150 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　彷徨い人　中島孝夫