『源 頼朝』
EL GENERAL YORITOMO
吉川英治作
~七百年の武家社会を築いた
《武将 頼朝》を詠う~


彷徨い人 中島孝夫

スペイン語訳:
アントニオ ドゥケ ララ

篠笛(横笛)『京の夜』
福原一笛 演奏より

《27.船出》

2021年4月21日(更新)

* 政子は
   父を兄を頼朝の身を
    ひしと気遣いていたり * 政子は
   数里離れた石橋山の方の
    夜空を見つめていたり


* 深夜
   牧場の妻が
    戦いの情報を持ち帰りぬ ~~ * 政子も
   その時はと 心の支度を
    すでに決めていたり ~~ * 政子
   思いぬ~頼朝が果てなば
    父も母も死ぬであろう~ ~~ * 政子は
   ~お命さえあれば~と
     一途の望みを抱きつづけぬ ~~ * 政子は
   石橋山の味方の惨敗を
    すでに聞きていたり


~~ * ”頼朝さま
    時政さまともに ご一命は
     大丈夫でございまする” ~~ * ”北条時政さまと
    めぐり会い 箱根権現の
     別当さまのところへ” ~~ * ~頼朝さまは
    実平どのと箱根へ
     お越しになられたり~