『源 頼朝』
EL GENERAL YORITOMO
吉川英治作
~七百年の武家社会を築いた
《武将 頼朝》を詠う~


彷徨い人 中島孝夫

篠笛(横笛)『京の夜』
福原一笛 演奏より

《9.春暁》
AMANECER PRIMAVERAL

2019年5月25日更新

* 頼朝は
   首を斬られるのが怖いとも
    何とも思わなかりけり * 頼朝は
   ”今日は首を斬られる日”
     ということを知りていたり ~~ * 頼朝は
   夜明けとともに起き
    幽室にぽつねんと座りぬ

Yoritomo
no sentía miedo
no sentía nada
aunque le cortaran
la cabeza.
Yoritomo lo sabía:
“Hoy es el día
en que me cortarán
la cabeza”
Yoritomo
se levantó al amanecer,
se sentó en la celda.
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* ”清盛の
    慈悲とかにより 一命を
     救いとらせることになりたり” ~~ * 重盛が
   見えて頼朝に伝えぬ
    ”池の禅尼のおすがりと・・・” ~~ * 宗清が
   現れ弾んだ声で言いぬ
    ”お欣びなさい 吉い事が” ~~ * 頼朝の
   顔が蝋の如く白くなり
    眸もおどおどしはじめぬ ~~ * 頼朝は
   あわただしき跫音が長縁を
    走り来るのを耳にしぬ

Yoritomo sintió
el ruido precipitado
de pasos
que se acercaban
por el largo pasillo.
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* 頼朝に
   六波羅の役人が申し渡しぬ
    ”伊豆の国へ配流の事” ~~ * 頼朝は
   幾たびも嗚咽の声をあげ
    心から礼をのべぬ