「鎌倉の古道を歩く」十二所めぐり 


第一回「鎌倉の古道を歩く 十二所めぐり」 参加報告記
 ~彷徨い人 中島孝夫の短歌にのせて~
 
⇒第2回 「浄明寺めぐり」 3月26日(土)
写真提供:新居様、他 :画像をクリックすると大きくなります。
 1月29日、第一回「鎌倉の古道を歩く」十二所めぐりは六浦駅からスタートしました。
冬の寒い時でもあり急なキャンセルもありましたが、総勢7名の皆様となりました。

 10時に六浦駅を徒歩で出発、これには中島氏の短歌に六浦の塩売りが短歌に詠ま
れていることにちなんで、今回はこの場所をスタート地点としました。

 * 六浦の塩売り
      朝比奈峠越え
       鎌倉へ塩売りに通いぬ


 曇りで寒いという予報でしたが、日が差して風もなく海も近いせいか穏やかな天気
で歩いているとあまり寒さは感じなくなりました。

 朝比奈の住宅地の坂をのぼり、左におれて崖下へ、金網塀のすきまから、崖の中に
かすかな人の踏み固めた階段があります。登ってからしばらく尾根の落ち葉の小道を
歩き、熊野神社へと着きました。
熊野神社 熊野神社参道 朝比奈切通し
熊野神社への道 朝比奈切通し

 大きな木に囲まれ、参道もきれいに整備されています。ここから朝比奈切り通しへ
はいり、鎌倉方面へ歩いて行きます。 途中、茶屋跡があります。

 * 迫りくる岩の窪みの茶屋跡に
       しばし佇み往時を憶う


朝比奈切通し

 下り坂となり、ここしばらく雨も降っていないのですが、地面がかなりぬかっています。

 * 朝比奈三郎
      切り通したると伝えらる
        苔むす岩の峠登りぬ


朝比奈切通し 朝比奈切通し




 道の両端では、清水が音をたて流れ小川になって行きます。 おりたあたりから太刀
洗い川となります。

* 梶原景時
     上総介を討ち果たし
        岩間の清水で太刀を洗いぬ 


梶原太刀洗いの水

 太刀洗い川が滑川と合流し、旧道へと出ると向こう側に十二所神社の大きな木々が
みえます。この季節大きな銀杏の木などは葉が落ちていますが、緑の多いなぜか懐か
しい「鎮守の森」となっています。(村祭りの歌)

* わら葺の屋根の神社は
     十二所(柱)の地名とともに
         鎮守となりぬ


十二所神社

 木々には神様が宿るとされ、多くの木がみられるのもそのものに由来するのでしょ
うか。 
 ちょうど、ここでお昼となり、皆さん手作りのおむすび、おかず、おやつなど色々と
持参です。 暖かい日差しの中、シートを敷いて、それぞれおかずをなど交換しなが
ら話がはずみました。私は、お弁当を持ってなく近くのコンビニでもと思っていたので
すが、この場所だと買いに行くのも大変そうなので皆さんの好意に甘え、お裾わけ
を頂き楽しいお昼となりました。
 

 午後は旧道に沿って少し歩き光触寺です。

* 十二所の旧道辿り左へと
      回りて行けば光触寺なり

光触寺

 ここは一遍上人のお寺で国の重要文化財にもなっています。トイレも設置され、
英語、中国語、韓国語で案内板もつくられ、鎌倉の歴史遺産の世界遺産候補推進
に大きく貢献しているのではと思われます。

 境内にはいると奥に塩嘗地蔵が祀られています。

 *  塩売りは
      商売繁盛祈願して
        地蔵に塩を供えたり


 * 朝に供えし塩は
      夕べになくなりて
        地蔵が嘗めたにちがいなしと

 *  地蔵さん長寿の秘訣は
      塩嘗めることですかと

        顔見て問えり  


塩嘗地蔵


 旧道に出てから、少し歩き、住宅地の中へと進むと明王院があります。静かな手入
れの行きとどいた庭で、かすかに梅の香も匂ってきます。
 
* 火事にあい
      五大尊の不動明王一体のみ
        焼け残りぬ


明王院




 裏の急な坂を少しのぼり、さらに左の崖の山道をのぼれば、梶原景時の屋敷
跡の井戸が残っています。このあたりに屋敷があったとされています。

梶原景時の屋敷跡

 明王院のすぐ近くには大慈寺跡の碑もたっています。昔はきっとこのあたり一帯
がお寺の敷地だったと思われますが、今では民家の片隅にかろうじて存在して
いるのが実情のようです。敷地が狭くなったルーツをたどるのも楽しい歴史の勉強
になるのではと思いました。

* 谷あいの
      実朝建てし大慈寺の跡に
         草木繁り集いぬ


大慈寺の跡

 明王院から旧道に出て、大江広元の屋敷跡もみて、本日の予定の十二所めぐり
は修了となり、次回は「浄明寺めぐり」となります。

大江広元の屋敷跡

 ここから鎌倉へ戻るのですが、天気も良く穏やかでしたのでゆっくり歩きながら旧道、
から脇道にそれながら、鶴岡八幡の前の「手打ちそば葛ら」へと向かい蕎麦とビール
で親睦会、5時ごろ鎌倉駅で解散となりました。
「鎌倉の古道を歩く」~短歌で綴る鎌倉の歴史と文化~ 彷徨い人 中島孝夫
 鎌倉の歴史遺産の世界遺産登録を!をキャッチフレーズに鎌倉をより多く勉強し、
その魅力を、日本、世界の人に知らせる市民運動として広がっていけばと思います。

 地域で活躍する高橋様も今回はPTAや横浜高校の甲子園出場などで忙しくなり
残念ながら参加はできませんでしたが、六浦の集合場所へ来られて資料のみ受け
取られて次の予定へと向かわれました。
 *高橋様の公式ブログ

 あとがき:「鎌倉の古道を歩く」会に参加しての報告記としてみました。写真など
お寄せ頂ければと思います。また、文章や間違いなど気がつかれましたら色々と
ご意見、アドバイス等お寄せ下さい。.
*ご夫妻で参加の新居様より写真をお送り頂きましたので、追加で掲載致しました。
 掲載不都合、ご希望、ご意見、掲載不都合等ございましたら、ご一報お願い致します。
鎌倉の歴史遺産の世界遺産登録を!
「鎌倉の古道を歩く」DVD、副読本 制作に向けて 
後援・協賛・協力のお願い

「鎌倉の古道を歩く」 ~短歌で綴る鎌倉の歴史と文化~ 
第1回 「十二所めぐり」 (終了致しました)
日 時 : 2011年 1月 29日(土) 午前10 時 ~ 午後 3時
集合場所 : 京浜急行・六浦駅・改札口前
史跡めぐり: 朝比奈切通し- 梶原太刀洗の水 - 十二所神社
        - 光触寺 -塩嘗地蔵 - 大慈寺跡 - 明王院
       <歴史探訪・短歌・俳句・スケッチ・カメラ・動画・詩吟・
         韓国語・中国語・スペイン語(鎌倉短歌紀行翻訳)
         その他に興味のある方>
参加費 : 無料
昼 食 : 各自持参
親睦会 : 手打蕎麦「葛ら」(鶴岡八幡宮前) 午後 3時~5時 (会費別途)
解 散 : 鎌倉駅 
お申込 : メールでお申込ください
       * 氏名
       * ご連絡先 (電話・携帯電話) 

              ⇒第2回 「浄明寺めぐり」 3月26日(土)

朝比奈切通し(世界遺産登録対象候補) 写真提供:鎌倉市観光協会

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